ご挨拶
皆様 奈良県立医科大学 がんゲノム・腫瘍内科のホームページをご覧頂き有難うございます。当科は2021年4月に奈良県立医科大学に新規開設された講座であり、臓器横断的に固形がん患者にがん薬物療法(抗がん剤治療)の診療・研究を行っています。
私が医師になった約20年前は、抗がん剤はシスプラチン等の殺細胞性の抗がん剤が主な治療であり、進行固形がんの患者さんの長期生存が難しい時代でありましたが、この20年間でがん薬物療法分野は大きく様変わりしました。ドライバー遺伝子と言われる、発癌・がん増殖の主因となる原因遺伝子の同定と、それに対する分子標的薬が幾つも承認され、また免疫チェックポイント阻害剤に代表される、人本来に備わっているがん免疫力を最大化する治療が導入され、現在、進行がん患者さんも長期生存が目指せる時代に入ってきています。
また、次世代シークエンサー等を用いがんに関連ある多数の遺伝子を一度に解析し、それぞれの遺伝子異常に基づき治療方針を決定するがんゲノム医療の時代に突入しました。感染症等の外なる敵ではなく、自らを滅ぼそうと企てる内なる敵であるがんに立ち向かうべく、日々診療・教育・研究に邁進したいと考えております。
がんで苦しんでいる患者さんに対して寄り添い、進行がんと診断されても、長期生存を目指す、もしくは根治を目指すべく診療・研究に携わる医師を随時募集しております。
来たれ腫瘍内科へ。
奈良県立医科大学 がんゲノム・腫瘍内科学講座 教授
武田 真幸